町内会問題

 町内会問題 

2021年

 我々の団体が最初に白南風町町内会とコンタクトを取ったのは、研究会発足のときに遡る。私たちの活動、そして活動目的は決して町内会の活動と相反する性格のものではないし、むしろ活動も近似的であり、目的もほぼ同じはずだから、協力的な関係を築けると思っていた。しかも檜槇前理事長をはじめ研究会の主要メンバーが、白南風町町内会長のMさんとは高校の同級生であることもあって、研究会の活動は町内会役員にも理解してもらえると安易に考えていた。しかし、結果は違った。当時、地域住民を集めて会合を開こうとしたときに、その会場として白南風町公民館を借りようと申請したところ、「得体の知れない団体には公民館を貸し出すことはできない」と断られた。こうして研究会と町内会は当初から良い関係を築くことができなかった。

2022年

 その後、研究会は町内会の動きとは全く別のものとして活動を展開した。本拠地は旧指山邸に事務所を置き、会合やイベントは全て白南風町36番地で行った。そして町内会とは何の接点もなく活動してきた。

2023年

 田中理事長が住民主体の活動を展開するようになって、「絶対に道にクルマを通そう」というスローガンのもと、住民主体の道普請を始めた。土木業者が側溝に角材を押し入れて無理やり軽自動車を通した結果、路肩が崩れて危険な状態になっていた。杖をついて歩くお年寄りが、凸凹の路面に杖が挟まって転倒したことがきっかけで、赤道の修繕を兼ねた、道幅の拡幅の工事に着手した。道普請をすることによって便利になる住民の皆さんにチラシを配布して、狭い道の拡幅工事について賛否を諮った。その結果、反対する住民の人がいなかったので、田中理事長とホームセンターへ行き、U字溝を購入し崩れかけた側溝にU字溝を設置して、側溝の崩壊を防ぎ、かつ水の流れを確保しつつ道幅も広げることができ、軽自動車が余裕で通れる状況に改善した。
 市役所の土木課からは、地域住民のために道普請をすることは素晴らしいことだが、正しい手順を取ってくださいと言われた。すなわち、①U字溝は伏せるのではなくて本来の向きで設置するように逆にし直してグレーチングで蓋をしてください、②工事図面を添付して、届出書を事後的で良いから提出してください、という要求であった。市役所が求める基準は、工事の素人である一般市民には難しすぎるので、対応できずにいた。そうした協議のなかで、本来の道普請は、周辺住民が道の改修を町内会長へ申し出て、町内会長が市役所に申請するのが正規の手続きであることを知った。それによれば、工事の費用負担が7対3の割合で、市役所が7割負担で地域住民が3割負担するというものである。そこで市役所土木課の職員が、白南風町町内会長へ働きかけてくれて、町内会長との協議の場が整った。研究会としても、久しぶりに町内会と対峙する場となった。
 市役所から土木課の3人、M町内会長と事務員のHさん、檜槇理事長、田中副理事長という3者会談が実現した。冒頭、市役所の土木課から今回の会合の趣旨が述べられたが、M町内会長は今までクルマが入って来なかった狭い道に無理にクルマを通すことには反対の意見であった。クルマが通るようになると、赤道の基礎が脆弱なので崩れるというのが理由だった。協議が終盤になると、町内会長の口から驚くような発言があった。「町内会費をまともに納めていないような住民ばかりの住む地域のために、市役所に提出する申請書に町内会長の印鑑は押すことはできません」というものだ。町内会費を納めていなかったら、それは住民ではないというのも驚きだったが、白南風町町内会はバス通り沿いの裕福な住民のためのものであるかのような、貧しい者を切り捨てるかのような発言に驚かされた。のちに、田中理事長と地域住民を戸別訪問して、町内会費は払っていますか?と尋ねてまわったが、9割以上の住民が町内会に加入して会費を納めていた。町内会費を納めていないのは3〜4軒だけだった。そもそも地域が高齢化して、過疎化して空き家が増えている状況にあるわけで、町内会に加入する人口も減少しているのだから、M町内会長はこの地域の実情を知ってか知らずか分からないが、「町内会費を納めない住民が増えたのではなく、そもそも住民自体の人口が減っていること」を「特定のエリア(クルマが入り込めないエリア)における町内会への加入率の低さ」に話をすり替えているのだということが判明した。

2024年
 
 あまりに理不尽な町内会長の言動に、そもそも町内会規約はどういうふうに住民を定義づけているのだろうかと思い、町内会の事務員Hさんに白南風町町内会規約を見せてくれるように、田中理事長とお願いしに行った。Hさんは町内会長に確認して、連絡しますということだったが、のちに電話があり、町内会に加入していない住民には町内会規約は見せることはできないという返事がきた。だったら、町内会に加入してやろうということになり、田中理事長と一緒に町内会費を支払って白南風町町内会に加入することにした。これで町内会規約と役員名簿が見れると思って、事務員のHさんに閲覧を求めたが、再度断られてしまった。
 このような町内会の対応や在り方に疑問と不信感を持つようになり、このやり場のない気持ちをどこで相談すればいいのかと思い色々調べた結果、市役所の2階にコミュニティ協働推進課という部署があって、市内の町内会を管轄するような役割を果たしていることを知った。そこで、田中理事長と白南風町町内会のこれまでの対応について相談した。①白南風町町内会では町内会規約を公開してくれないので、コミュニティ協働推進課に白南風町町内会が提出している規約を、我々に開示して欲しいと請求した、②道の改修の申請書を作成する町内会長の権限について、町内会費を納めていない住民が多く居住するエリアのためには申請書に町内会長の印鑑は押せないという、M白南風町町内会長の発言について、市役所としてどう考えるか、質問した。
 ①については、市役所としては単独では判断でき兼ねるので、M町内会長さんに確認を取ってからの開示になりますという返事であったが、そもそも開示しない理由など何もないので、後日、市役所の窓口で「白南風町町内会規約」をついに入手した。たった町内会規約を閲覧するのに、ものすごく遠回りをさせられたのは、市役所・町内会・住民の「協働」というものが、いかに空虚な意味のないものであるかを物語っていると思った。
 ②についての明確な回答を引き出すことが難しく、その後、田中理事長と市役所2階のコミュニティ協働推進課に何度か通って、職員と協議を繰り返したが、のらりくらりと応対するばかりで、問題の核心に触れることを避けているように思えた。この部署には職員が30人ほどいるような大きな部署であるのに、町内会について市民が直接に苦情や相談をしに来ることはないのだというから驚いた。だったら何のために誰のために仕事をしているのかというと、どうやら市内に存在する町内会の町内会長さんや役員さんのために動いている部署のようである。市役所が声高に「市民協働」というフレーズを使っているが、これは「市役所」と「町内会」が協働していることが、市民協働なのであって、そこに住民・市民の姿は存在しないということがよく分かった。

町内会総会(2024年5月)

 町内会総会開催のお知らせの用紙の末尾に「委任状」が掲載されていた。新年度の新しい班長はこの「委任状」を取りまとめて、町内会に提出するシステムになっている。本来であれば委任状は、総会に出たくても都合がつかない住民がやむなく自分の意見を反映してくれる他の住民に「委任」するべきものであるのだが、今の白南風町における「委任状」のシステムは住民の意見を軽視するような制度である。
 総会当日も出席しているのは役員と新班長ばかりで、住民の姿はほとんどなく、総会の進行も紋切り型で進み、住民が意見を述べたり、町内の問題や将来のことについて議論したりするような会議ではなかった。まさに住民不在の町内会総会であった。町内会の役員も仕事が忙しいので、町内会の煩雑な仕事は出来るだけ避けたいというのが主な理由らしい。
 町内会は社会の縮図である。富める者と貧しい者、支配者階級と労働者階級、強者と弱者の対立の構造が見られる。役員は佐世保市では有力者に属する人たちである。高齢化が進み人口流出して過疎化が進む空家空地の多い白南風町のエリアについて関心がある役員は少ない。
 一方で「委任状」にサインをして総会に出席しない住民もまた、住民としての権利行使から逃避しており問題がある。「町内会は弱者が住むエリアのためには何もしてくれない」と言うだけでは何も変わらない。まずは、「委任状」にサインをすることはやめて、総会に出席すべきである。そうすれば町内会の役員も意識が変わって、町内会の運営も変わってくると思う。白南風町に住む住民であることに変わりはないのだから、貧富の差や弱者と強者の垣根を乗り越えて、白南風町をより良くするために、みんなで議論して町内会を運営するように変革すべきである。
 市役所の役人は、「町内会」は住民の代表組織であり、「町内会」は住民の意見を集約した組織であるとみなして、「町内会」と「市役所」は連携して動いているので、「市民協働」が実現できていると主張している。しかし実際は、「住民不在の町内会」と「市役所」がどんなに緊密に連携していても、そこには住民の意見は反映されていないのだから、まったく滑稽な話である。
 どのような町内会の運営が正しいのか、どう運営すべきなのかは、「市役所」も「町内会役員」も「住民」も分からない状況のなかで、毎年同じような運営をして、同じような決算書類を「市役所」に提出するだけの町内会運営になってしまっている。
「自助」「共助」「公助」とあるが、住民には町内会費の納付を求めるばかりで、住民のためには全く機能せず町内の諸問題は自分で解決することを強いるのであれば、そもそも「町内会」の存在する意味がない。住民の「自助」では解決不可能な問題について、「共助」や「公助」により解決を促すための組織が「町内会」だと思う。「市役所」と「住民」の間に立って、問題解決に向けて動ける組織こそが、「町内会」のあるべき姿であり、それこそが「市民協働」であると思う。
 研究会としては「市役所」に市民協働のあるべき姿を問い続けながら、「住民」と一緒に活動することにより住民自治の意識を変えていくことで、「町内会」が住民のために機能するような状態に変えていけるような動きをしていきたいと考える。

2025年3月 【町内会退会】

 白南風町内会に加入して1年が経過しようとしていますが、町内会総会以後は何の関わり合いも生ぜずに月日が過ぎました。「住民による住民のための道づくり」をきっかけに町内会と話し合う必要性が生じて、何度か話し合う機会がこれまでにありました。地域に住む住民のために存在する組織であるはずなのに、いったい誰のために存在しているのか、何のために存在しているのか皆目解らない組織であることが分かりました。まるでムラ社会のように意見の異なる少数派の住民の意見を高圧的な態度で封じ込めるその体質は、とても民主的な組織としてあるべき町内会組織のあり方とはかけ離れており、戦前の住民を統制する組織としての町内会の性格が色濃く残っている旧態依然の組織運営であると思います。
 こちら側が意見を述べても全く取り合わないことは、町内会に加入する前と後では何ら変わることはありませんでした。これでは一体何のために町内会費を納めているんだか意味がわからないので、来年度の町内会費を納めるのは止めようという結論に至りました。町内会側が我々の意見を聞かないと宣言している訳ですから、我々としても町内会に対して何の期待も持てないということです。今後は市役所のそれぞれの部署に対して直接交渉することとし、町内会を経由する手続きは必要ないと考えます。

 バス通りから一本小道に入ったエリアには大地主が何人かいて、土地だけ貸していたり、貸家を営んでいたりしています。ですのでこのエリアの住民は、借りた土地に持ち家を建てていたり、借家に住んでいる住民が多いです。このような社会的弱者である住民のために町内会運営ができないのであれば、このエリアに不動産を所有する大地主を町内会に加入できるようにすべきだと思います。不在地主も白南風エリアに利害関係を有している訳ですから、町内のことについて意見を述べる権利もあるでしょうし、逆にこのエリアのことについて地主にも責任が伴うと思います。
 町内会長が「町内会費を払わないような住民が多く住むエリアのためには動けない」という言葉の意味をずっと考えてきました。土地持ちの住民を優先するような考え方が見え隠れしていると思います。だからこそ不在地主を何らかの形で町内会に加入させて会費を徴収し、地主の意見を聞きながら地主たちにも町内の問題について当事者意識を持ってもらうべきです。貸地や貸家から収入を得ている地主が、借地や借家に住む弱い立場にある住民のために動くべきであると思います。
 私は白金、吉祥寺、福岡市など住みたい街ランキング上位にある街に住んできました。佐世保がとっても魅力ある街で、佐世保の人たちもとってもいい人ばかりなので、空き家バンクを通じて白南風町に家を購入しました。このエリアに住む住民の皆さんは置かれている立場はさまざまだと思いますが、みんなが住民目線に立ってほんのちょっとでいいから行動を起こすことで、「白南風ブランド」はもっと魅力あるものになると思っています。九州版住みたい街ランキングで、福岡市に次ぐ第2位のポジションに立てるのが「佐世保市白南風町」であると信じています。