佐世保市の特定空家指定制度を使ってみました。

【佐世保市の特定空家指定制度を使ってみました】

 裁判所から連絡があり今後の手続きについて話し合いがしたいということで、田中理事長と裁判所へ行ってきました。今後手続きを続行した場合、管理人を選任すると弁護士あるいは司法書士に費用が発生すること、さらに物件の管理に要する費用については申立人が立て替える必要があるので、まずはもう一度、佐世保市の建築指導課へ相談に行き、特定空家に指定してもらって行政指導を所有者に対して行うなどの方法をオススメしますということでした。
 裁判所に申請を出す前から当該物件については建築指導課と何回か協議していたので、たらい回し的な感じもしたものの、面白そうなので素直にたらい回しを実行してみました。いつも相談をしている建築指導課の職員に事情を説明したところ、特定空家に指定するには物件を点数で評価するそうでした。現地に物件を見に行って点数評価してくれると言われました。
 後日建築指導課から電話があり、白南風町の空家3件について評価してみたところ、特定空家に該当する点数になる物件はないということでした。見た目は廃墟化しているような空家についても、特定空家の要件を満たすには全く評価点数が不足しているという話でした。田中理事長と解体したMさん廃墟でさえ、特定空家には該当しないということなので、この特定空家制度は実質的には「空家対策」として空家問題を解決する手段としては機能しないことが分かりました。特定空家に該当するためには、交通量が多い道沿いにあって建材が崩れて極めて危険であるなどの状況にないと「特定空家」には指定されないということです。

 今回申立をしていた物件については、所有者と連絡が取ることが出来ましたので、所有者不明という状況が解消されたので、1件目の「所有者不明土地建物管理命令申立」は取下げということとなりました。
 準備が出来次第、2件目の放置空家について「所有者不明土地建物管理命令申立」を行おうと思います。

NTT電柱の撤去が完了

【NTT電柱の撤去が完了】

 1月に九州電力が新しい電柱を立てましたが、NTT側の工事がなかなか進まないのでおかしいなとは思っていたのですが、なんと町内会長から工事について諸条件を出されていたそうで、それが原因で工事着手ができなかったということでした。白南風町内会長の町内会長としての権限の行使が本末転倒過ぎるのでただただ呆れるばかりですが、なんとか年度内に電柱撤去まで完了することが出来ました。
 この地域の特徴として、広い土地を持つ地主が数人おり住民の大多数がそれら地主の地面を借地して家だけは自分の持ち物だったり、借家だったりする住民が多く住んでいます。土地持ちの住民の多くは、佐世保を捨てて都会へ出ているので、土地と建物を所有する住民が少ないという事情があります。そういう事情もあってか、この地域がクルマが入らない道幅だったり、電柱が通行の妨げになっていても、誰も何も言わずに戦後70年間も放置され続けたんだと思います。
 今の現状を嘆くばかりで立ち上がらない住民が多いなかで、田中理事長が九州電力やNTTに対して、「おかしいじゃないか!」と主張しました。はじめは九電もNTTも、田中理事長の言うことがあまりに突拍子もないことのように聞き流していましたが、半年くらい経つと、九電もNTTも態度が変わってきて、田中さんが言うことの正当性を認めてくれるようになりました。
 本来であれば戦後70年の間に、地主の皆さんと住民の皆さんが協力してやらなければいけなかったことを、田中理事長は1年足らずでやり遂げた形になりました。僕はそれを間近かで見てきましたが、市民の権利、住民の権利を主張して、権力者と戦って自分たちの権利を実現していくプロセスに驚嘆するばかりでした。これは市民革命を経ずに近代化した日本国民が苦手とするプロセスであり、英米仏のような国では当たり前のようなことなのでしょうが、一市民が役所に対して意見を言ったり、巨大寡占企業に対して意見を主張したりすることは、なかなか簡単には出来ることではないと思います。
 近い将来には電力もワイヤレスで送電できるようになる時代が来るとは思いますが、通行の妨げになっている電柱のせいで不便を強いられている同じような地域にとっては、今回の田中さんによる九州電力とNTTに対する交渉の過程は、地域の生活環境の改善の糸口になり得る問題解決へのアプローチとして有意義なものであると思います。

白南風町内会長によるNTT電柱移設工事の妨害行為

【白南風町内会長によるNTT電柱移設工事の妨害行為】

 電柱移設工事に関して九州電力の担当者から電話がありました。1月下旬に九州電力が新しい電柱を立てて以後、NTTの電線を九電の新電柱に移設する工事を待っていましたが、NTTの工事担当者からの話によると、白南風町のM町内会長がNTTの工事にいくつかの条件を付してきていて工事の進行が遅れていたという話でした。
 M町内会長がNTTに付す条件というのが、①工事する区間の赤道はクルマも人も通るから、工事車両等は速やかにどかせる体制で作業を行うこと、②そのために必要であれば警備員を配置した上で工事を行うこと、③工事をする日取りが決まったら、M町内会長へ朝の9時から17時の間に電話連絡するようにと指示されたそうです。NTT側としては工事の段取りをしてM町内会長へ電話を何度かしたけれども通じないことがあって、工事が遅れたということでした。
 以前このエリアの別の区間で側溝が危険だったので、修復を兼ねて道幅を広くする工事をやったときに、M町内会長と市役所の土木課と話をする機会がありました。道幅を広くする工事を市役所に申請するためには、町内会長の印鑑が押された申請書が必要になるのですが、M町内会長は「赤道のエリアに住む住民は町内会費を納めていない人が多い。そんな住民が住むエリアのために道を拡幅する工事の申請書にはハンコは押せない」と明言した経緯があります。
 後にこのエリアの住民を戸別訪問して町内会への加入状況について調べましたが、ほぼ9割以上の住民が町内会に加入していました。クルマが通らずに不便している住民のために、道路拡幅の工事申請書を市役所に提出することも拒んだのに、今度は住民が九州電力とNTTと粘り強く交渉して実現した「電柱移設工事」についても、子供染みた嫌がらせをして工事の妨害をするなどという全く意味不明な言動をしていることに、ただただ呆れるばかりでした。
 こんなことやっていたら「白南風町」はもっともっと寂れるでしょうし、「させぼ」の明るい未来はないと思いました。

空き家看板お知らせ

【廃墟化している放置空家に管理看板設置のお知らせチラシの配布】

 これまで所有者不明の放置空家については、現在の持ち主の所在を探すために様々な方策を尽くしてきました。どれも時間がかかるばかりで何も進展しない現状を打破すべく、少々強引ではありますが、廃墟化しつつある危険な放置空家については、看板を物件に掲示することにしました。「管理地 させぼ山手研究会」という看板を製作して掲示する前に、地域の住民の皆さんには今回の看板設置の趣旨説明を書いたチラシを配布することとしました。当該物件については、1年ほど前から佐世保市役所の建築指導課と相談協議してきた物件であり、今回の看板設置についてもその趣旨説明を行い報告は済んでおります。
 その趣旨は、放置空家を廃墟化するまで放置し続けてきた所有者と直接話がしたい、所有者の連絡先を知りたいというのが目的であり、占有して所有権を時効取得することが目的ではないということです。

 空き家看板お知らせ

法務省(裁判所)と地方自治体(佐世保市役所)との不毛な対立

【法務省(裁判所)と地方自治体(佐世保市役所)との不毛な対立】

 添付書類のなかで唯一の不足書類である固定資産評価証明書を取得するために、田中理事長と佐世保市役所を訪れました。不動産登記簿上の所有者の住民票を取得するときと同じく、窓口の職員に「所有者不明土地(建物)管理命令申立書」を裁判所に提出しており、その添付書類として固定資産評価証明書が手続上必要になるので交付してほしい旨を説明し、裁判所に提出した申立書のコピーを渡して裁判所の事務官の名前も伝えて窓口で待ちました。
 しばらくすると事務員が出てきて、基本的には第三者に固定資産評価証明書の交付はできないということで、今回の「所有者不明土地(建物)管理命令申立制度」の手続きに使う目的のために交付できるか否かについては即断できないので、今日のところは一度お帰りいたただいて、交付の可否について佐世保市役所としての回答が準備でき次第電話連絡しますので、もう一度来庁いただけないでしょうかという話しでした。
 それでは困るので、今ここで待ちますから、佐世保市役所として「所有者不明土地(建物)管理命令申立書」に添付する使用目的のために、固定資産評価証明書を第三者に交付できるのか、できないのか明白な回答をいただきたいと伝えて、窓口で田中理事長と待つことになりました。事務所の奥のほうでは佐世保市の職員が数名集まって協議しているのが見えましたが、結局2時間半ほど待つこととなりました。
 最終的に結論が出たらしく職員2名が私たちのところにやって来て説明を始めました。結論は、佐世保市としては今回の「所有者不明土地(建物)管理命令申立制度」に必要である当該不動産の所有者の固定資産評価証明書は第三者には交付できないという回答結果でした。それは裁判所の事務官とも電話で協議した上での判断ということでした。
 後に裁判所の事務官から聞いたのですが、裁判所の事務官は佐世保市職員に対して、「所有者不明土地(建物)管理命令申立制度」の手続規則を教示して、佐世保市に固定資産評価証明書の交付を求めたそうでした。それによると、規則には「裁判所は、非訟事件の手続の申立てをした者に対し、当該申立てに関する申立書及び当該申立書に添付すべき書類のほか、申立てを理由づける事実に関する資料その他同条の手続の円滑な進行を図るために必要な資料の提出を求めることができる。」という文言があるので、これが根拠規定になるので固定資産評価証明書の交付をお願いしますと電話で伝えたそうです。
しかしながら佐世保市役所の職員の回答は、「提出を求めることができる」という文言を根拠にして、固定資産評価証明書の交付は任意的なものだから、今回は佐世保市としては交付致しかねますという論法で説明してきたという結果となりました。
 2時間半待ちながら職員の動きを観察していましたが、固定資産税を徴収している部署でありながら、空家対策をしている建築指導課の職員とは協議することもなく、はじめに「交付しない」という結論ありきで、その根拠規定を探すために2時間半を費やす姿にガッカリしました。くわえて、今回の「所有者不明土地(建物)管理命令申立制度」を新設して、市町村では解決困難である「空家問題」をどうにかして解決しようとしている「法務省」に対しても、まるで盾突くかのような佐世保市の対応は由由しき問題であると思います。
 そもそも「空家問題」は住民の身近に存在している市町村が解決に向けて取り組むべき問題であるにもかかわらず、佐世保市役所は何十年も放置してきた経緯があります。近隣住民が隣に存在する空家が迷惑なので、所有者と連絡を取りたいと言って市役所の建築指導課にお願いしても、固定資産税を徴収している税務課が現在の持ち主の連絡先を知っていても内部(建築指導課)にも情報を開示してくれないという理由で断られるのが現状です。
 今回の「所有者不明土地(建物)管理命令申立書」を裁判所に提出する前から、当該空家については建築指導課の担当職員に相談してきており、建築指導課の職員も現地へ来て当該空家の状況の確認をしてくれています。にもかかわらず、市役所の税務課の職員は、固定資産税を徴収することだけしか眼中になくて、社会問題化して久しい「空家問題」解決に関しては、まるで対岸の火事のような他人事の対応でした。
 空家となって周辺住民に害悪を撒き散らしているような不動産から固定資産税を徴収している市役所税務課が、空家の存在で困っている地域住民に対して所有者の連絡先を開示しないという状況のなかで、藁にもすがる思いでわざわざ多額の費用をかけて裁判所の「所有者不明土地(建物)管理命令申立制度」を使うという回り道をしてきている住民に対して、その手続に規定されている添付書類である固定資産評価証明書の請求すら却下するというのは、あまりに理不尽だと思います。
 佐世保市の職員が業務を遂行するうえで、個人情報の取扱いに慎重になることは大事なことです。しかしながらそれを過度に頑ななまでに適用すると、本来であれば速やかに解決できるであろう「空家問題」が、拗れに拗れる結果になってしまいます。「空家対策」をしている建築指導課と固定資産税を徴収する税務課が連携して対応してくれれば、わざわざ法務省が新設した「所有者不明土地(建物)管理命令申立制度」に30万円の費用をかけて持ち主の所在探しをしなくて済む話だと思います。
 だからこそ法務省が新設した制度を使って空家問題を解決しようとしている住民に対して、佐世保市役所はもっと住民ファーストの目線で対応する必要があると思います。庁内で税務課と建築指導課が縦割行政の弊害で情報を共有化できなかったり、国と地方で行政の権限の行使についての不毛な対立のせいで、住民が抱える問題解決の障碍になってはいけないと思います。
 空家廃墟問題というものは、地域住民、町内会、市町村、裁判所(法務省)が協力して初めて解決できるものだと思います。それこそが真の意味での「市民協働」なのだと思います。このような「市民協働」が実現された地域コミュニティを再生することができれば、これ以上空家が増えることは未然に防ぐことが必ずできると考えます。
 以上のような経緯により、手続に必要な添付書類である固定資産評価証明書の手配は、後日に持ち越しとなりました。