空家空地を適正に管理するとは何か

【空家空地を適正に管理するとは何か】

 今までも空地の所有者が、「年に2回造園会社を使って草を刈っているんだから適正に管理しており放置空地ではない。所有者として義務は果たしている」と主張するのを聞いた事がありました。今回はある空家の所有者に会う機会がありました。住民のみんなはそこは空家だと思って連絡先を1年以上もかけて探していたのですが、遠方に住む所有者は、「公民館に連絡先を伝えており、佐世保に行ったときには立ち寄って空気の入れ替えをしたり庭木を切って適正に管理していたのだから、所在不明でもないし放置空家でもない」と言われました。
 「適正に管理している」とは主観的なものであって何か基準があるわけではないものだから、所有者側の認識と周辺住民の認識に差異が生じるのは仕方ないとはいえ、土地にしても家屋にしても利用してこそ活きて価値が出るものなので、使いもしない土地や住みもしない家屋はどんなに適正に管理したところで、それは空地であり空家であって、さらに隣近所が連絡先を知らない状態であれば所在不明と同じことであると思います。
 資本主義社会においては「所有権絶対の原則」が社会の根幹ですから、とにかく所有者の権利は強いです。周辺住民も行政も所有者に対してあれこれ言う権利がない状態です。ここに空家問題が長年に渡って解決できずに複雑化する原因があると思います。空家になって朽ちて廃墟となるのは意外と早いものです。廃墟や荒地になってからでは、所有者も周辺住民も行政もものすごい労力を要することになるので、だからこそ空家や空地の利活用を地域住民も交えて早期に考えることこそが、空家空地問題を未然に防ぐこととなり、不動産も活かされるし地域も明るいものになると思います。